2013-10-27

西加奈子「きいろいゾウ」。。。月をみて君を思い出す

西加奈子さんの「きいろいゾウ」を読みました。
 以前にエッセイ「この話、続けてもいいですか?」(タイトル最高!)は読んだことはありました。
話としては、田舎で暮らし始めた若い夫婦が、日々暮らしていくなかで、ふたりそれぞれ心にひっかかっていることがあることに気づき、それを解決していくことで、お互いの存在を確かめあう。。。そんな話です。いろいろな出来事もそれぞれおもしろいし、文章もおもしろかったです。
まず、最初に必要なもののリストがあって、童話風のきいろいゾウの話が2ページあり、それからツマとムコさんの日記が交互に続いていくという構成にまず惹きつけられました。最初にエッセイを読んでたせいか、ツマの文章にどうしても西さん本人のイメージを重ねてしまいました。
いっぱい好きな場面はありますが、特に登校拒否で田舎のおばあちゃんとこにいた小学生の大地くんがツマに手紙で自分の気持ちを伝える場面がぐっときました。好きだけどお互いに事情というか障害があり(小学生と大人だし、ツマは既婚者だし)、それを知りつつも、好きと伝えるという、そんな切ない気持ちに共感してしまいました。それにツマも返事を手紙で書くんだけど、結局出さなくて。。。このへんは小説だからできる表現ですよね、いいなと思いました。あと、メガデスの場面もよかったなぁ。
最初はツマとムコさんの話の間にきいろいゾウの話が入っているように感じたのですが、何度も読んでると、だんだんきいろいゾウの話にツマとムコさんの話のがあるような、きいろいゾウの話のためにツマとムコさんの話があるような、そんな読み方になってきちゃって、「ふたりがであうのはいつかって?それはおつきさまだけがしっています」のところで泣いてしまいました。
あとは、キングトーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」の使われ方がすっごくよかったです。切なくなったり、悲しくなったりしました。


最後にもうひとつだけ引用を。。。
強くても、弱くても、人間  つよしよわし  だって。ちょっといいよね?

2013-10-19

Google+ で指定した名前に問題があります??

Google+ で指定した名前に問題があります」というメールがきていた。

ボートピープル』という名前に問題があるらしい。名前だっちゅ〜の!(懐かしいフレーズだ)。
なにか証明するリンクとか書類のコピーとか必要らしい。
けど、ライブやるときの名前だよ!?免許証とか保険証とかあるはずないじゃん!?
どうしよう。。。と思ってちょっと探してみたら、過去に名前が掲載された雑誌を写真で撮ってたみたい(思い出づくりか!?恥ずかしすぎるぜ、その行為。。。

これで大丈夫になるといいが・・・。
って、そもそもの話、Googleプロフィールとか全然使いたくないし、作りたくもなかった
でもYoutubeに動画をアップするときコレつくんないと駄目みたいだったから。
 ぜんぜん作りたくないのに、作ったら文句いわれ。。。あほくさ ← 精一杯の抵抗 ;( 

2013-10-18

しぬまえにおじいさんのいったこと

谷川俊太郎さんの詩に曲をつけてみました。

童話屋から発行されている「すてきなひとりぼっち」90ページに掲載されている
しぬまえにおじいさんのいったことという詩です。もう、タイトルがいいですよね。
僕自身、別にまだ死ぬ予定はないのですが(あはは)、ただ、なんで自分が生まれてきたのか、この人と会うために生まれてきたんじゃないのか、なんて思うと、この詩がとってもとっても心にしみます。。。過去にすがって生きているのとはまたちょっと違う感じ、と信じたい。

実はこの詩自体は、鴻上尚史さんのエッセイで知りました。

2013-10-14

おやすみ恋人、いつかまた

時間をみつけては曲をすこしづつ作っていて、たまにスタジオに入って録音したりして、ようやく1曲まとまった。アコギと歌だけの構成。曲調もコード進行も、斬新さはどこにもないが、非常に自分らしい作品になったと思う。実はイメージは「オペラ座の怪人」だったりしますが、アコギ弾き語りなので伝わりづらいかな。。。RCサクセションの「スローバラード」にでてくる”市営グラウンド”という言葉の使い方だったり、あとはクドカンのドラマだったりが好きなので、冒頭に具体的な固有名詞を入れてみた。うまくいったかはわからない。でも、まずは完成してよかった。最近本屋さんか雑誌かで「描かないマンガ家」という非常に気になるタイトルの作品があるようだが、やっぱり音楽やってると言い張りたかったら??実際のモノが作れてまずはなんぼだと思う。モノ無しで威張れるほど俺強くないし。
というわけで、まずは完成してほっとしています。毎日くよくよ生きているだけじゃないんだぞ、と言えるかな(誰に??)

参考イメージ↓
引用元:http://www.inside-games.jp/article/img/2012/08/02/58646/280149.html

2013-10-13

アンソニーのハッピー?モーテル

映画『アンソニーのハッピー・モーテル』を観た。ウェス・アンダーソン監督のデビュー作というだけでなく、オーウェン・ウィルソンとルーク・ウィルソンのデビュー作でもあるこの作品は、アンソニー(ルーク・ウィルソン)が精神病院から退院するところに、ディグナン(オーウェン・ウィルソン)がやってくるところから始まる。
このディグナンがかなりイタい奴で、造園屋さんで働きつつその造園屋さんが実は凄腕の泥棒一味でそこで自分もいっぱしの泥棒になろうとしていろいろ考えてはいるんだけど、でもそこをクビになっちゃったり、まわりからは嘘つきよばわりされているし、イタいところいっぱい。そしてアンソニーと泥棒になるために旅にでる。。。ディグナンには「天才マックスの世界」の感じもあり、ふたりが旅するところは「ダージリン急行」の感じもあり、監督の持ち味はすでににじみでているけど、なんだかイタいところが、自分も同じようにヘタレ男なのですっごいよくわかって、わかりすぎて、ちょっと観るのがつらかった。
しかし、クライマックスの場面はすごくかっこ良かった!ストーンズの(あれ、サタニックマジェスティーズに入ってる曲だなぁ)曲もあっていた(合わせたのかな?)。うん、あの場面はぜひ観てほしい!

2013-10-08

朝焼け

 



映画『エターナルサンシャイン』を観て俺は何かを学んだ気がする

現在日本で『ムード・インディゴ』(『アメリ』のオドレイが出てる!)が公開されているミシェル・ゴンドリー監督の、2004年の映画『エターナル・サンシャイン』のDVDを借りて、観た。かつて、一度観ようとしたことがあったが、観ることができなかった。予告編には『君によむ物語』が含まれているので、間違いなくあの時と同じDVDだ。
見終えて、あのときに観れなかったことが、必然だった気もしている。この映画は、大切なものを失った後、真夜中にひとりで観る映画なのかもしれない。
ストーリーは、別れた恋人同士が、お互いに過去の記憶を消すのですが、主人公の男性が「やっぱり消したくない」ということで記憶消去の治療?に抵抗する話で、単純に記憶を消しただけではどうにもならない、ということが切ない。
なんといっても、ジム・キャリーがいい味を出している。無精髭で、陰を帯びた表情。ストーリーとしては、シェイクスピアの。。。タイトルわすれちゃったけど、最後にお互いに毒を飲んで死ぬやつ。。。最初にクレメンタインが記憶を消して、その後にジョエルが記憶を消す、この流れが なんとなく似てるなぁって。なんというか、記憶を消すことは命を断つようなものだから、悲しい流れだよね。最初のほうの場面で、病院でおばあちゃんが映像を観ながら治療を受けている様は『時計じかけのオレンジ』を思い出しちゃって、ちょっと気持ち悪くなった。
僕は男なので、どうしてもジョエルの立場でみてしまう。ジョエルが記憶を消す前にテープに向かってクレメンタインのことを悪く言ってるの、すごくわかる。自分にとって彼女がただひとりの人だという現実から逃れるためには、(情けない話だが)悪口を言うことは心の傷を癒すひとつの方法なんだと思う。少なくとも、自分と別れたあとに、彼女が誰かと一緒になるのははっきりしているわけで(なぜなら自分がここまで好きになった、こんな素敵な人、ぜったい他の人も好きになるに決まってる、と思っているから)これが辛い。しかし、この映画ではこの自分と別れた後に彼女と一緒になる人(一緒になろうとする人?)を『ロード・オブ・ザ・リング』のイライジャ・ウッドが怪演している。いやー、気持ち悪かったし、クレメンタインと話をしているときにジョエルの資料を必死こいて見ている様は切なくすらあった(これ、今の時代だったらSNSを使って同じことやるやついるんじゃないか?)
あと、キルスティン・ダンストの役のメアリーも切なかったなぁ。ちょっと軽そうな感じの受付の女の子なんだけど、なんというか、また同じことを繰り返してしまった(彼女の場合は)絶望的な感じが悲しくなった。あのメガネの彼は、なぜメアリーと先生を二人きりにしたんだ!?好きなのに。わけわからん。
ジョエルが、必死にクレメンタインの記憶が削除されないようにするために、過去の記憶にさかのぼるところで、そこでもクレメンタインの存在に励まされるところ(子供の頃に動物をハンマーで不本意ながらに叩く場面とか)は、本当に切なくなりました。人を好きになると、そのうちずっと昔からこの人と一緒にいたような気持ちになる、あの感じだよな、きっと。。。と思いながら、過去の記憶をさかのぼるところは観ました。
ラストは希望を感じるというか、う〜ん、単純なハッピーエンドではなく、いろいろと考えさせられる終わり方でした。泣けました。
たしかに、BECKの曲、めちゃくちゃいい。もとはコーギスというグループの曲らしい。

僕たちにとってのモントーク湖は、どこだろうか?
すべてを忘れたら、そこでまた会えるのだろうか?
。。。とカッコつけて終えてみたりなんかしちゃったりして。

2013-10-04

荒井由美「ひこうき雲」はLPとかCDで買ったほうがいい

映画「ひこうき雲」が公開されそうなタイミングで、タワレコでユーミン(荒井由美)の1stアルバム「ひこうき雲」を買った。なにやらその後は映画「風立ちぬ」をイメージした記念バージョンで発売されたらしいから、あぶないあぶない。オリジナルのジャケットはピアノの教本みたいでかっこいい。
ブックレットには「誕生日」という素敵な散文詩が書いてあります。このデビューアルバムが制作された当時(1973年)のユーミンの心境(心象)が描かれています(「これまでも、そしてこれからも、わたしのじゃまをし、あるいは導き 喜ばせたり悲しませたりする”何か”とは自分自身だということがわかった今」って、なんだかグッときました)。これを読んでからアルバムを聴くといっそう味わい深かったです。2度おいしい。吉田拓郎の「元気です」も最初に直筆の散文が書いてあったし(例が古いですね)、こういう楽しみ方はMP3じゃなかなか難しい、やっぱりLPやCDだな!と再認識しました。
ひこうき雲も名曲ですが、他の曲もいいですよ。特に好きなのは、「そのまま」という曲ですね。ベッドの上から世界を旅して鏡の前に戻ってくる展開は見事だと思いますし、離ればなれになってしまった大好きな人(そしてたぶん理想の人)への想いが伝わってきます。泣けます。
最後のひこうき雲(いわゆるリプリーズというやつですね)はピアノと歌だけの弾き語りで、アレンジされたひこうき雲(1曲目)とは違ってまた切実さが伝わってきます。
映画「風立ちぬ」で「ひこうき雲」が好きになったそこのアナタ!ぜひアルバムを聴こう!